オーナー社長を過小評価するガバナンス論調

businessman-1477601_1920.jpg巷で見聞きするコーポレートガバナンス改革議論のほとんどが、「社外取締役」やら「独立性」を重視せよ、あるいは「女性取締役・執行役員」を増やせ、という論調に思えます。もちろん、会社経営の執行に絶大なる権力を持つ社長はじめ執行役の牽制は大切です。ネットで世界が繋がり、消費者意識もどんどん進化するグローバルESG時代、外部の多様な視点を会社経営のかじ取りに活かすのも絶対必要だとおもいます。

私が唯一疑問におもうのは、議論のフォーカスに「バランスがきちんと取れているのか」という点。

会社の事業に精通し、同時に大株主(時には筆頭株主)でもあるオーナー社長の考えや判断は、やはり相応に尊重されるべき重みがあると思うのです。特に、経済危機や競争環境変化などで、会社経営のかじ取りが大変なとき、その事業に精通しない外部の監督者は、一体どれだけ効果的な救世主になりえるのでしょうか。

独立性や外部の視点は大切。経営監督機関の多様性確保も大事。ただし、事業の裏表に精通し、寝ても覚めても自分の会社のことを考え、業績や株価が上がっても下がっても自分の懐事情に大きくインパクトを抱えるオーナー経営者のリスク計算と判断力を、過小評価してはいけない。自社株保有数も少ないサラリーマン社長では、株価を上げる動機がないのみならず、ときに会社は生き残れないとおもうのでした。
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プロフィール

金武偉 / Will Kim

Author:金武偉 / Will Kim


マンティス・アクティビスト投資1号(株)代表

ミッション・キャピタル(株)代表

過去の略歴:
2000年 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)卒業

2001年 ゴールドマン・サックス証券入社

2003年 JPモルガン証券に転籍

2005年 ボストン大学ロースクール入学

2008年 ロースクール卒業。ニューヨーク州弁護士としてウォール街に本社を置くサリヴァン・アンド・クロムウェル法律事務所入所。米国の会社法・証券取引法を専門

2013年 ユニゾン・キャピタル入社

2014年~複数のフィンテック・AIベンチャー経営参画後、投資活動への専念を決意

2018年 インパクト投資に特化するミッション・キャピタル(株)設立。代表取締役就任

2020年 上場企業アクティビスト投資に特化するマンティス・アクティビスト投資1号(株)設立。代表取締役就任

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